文鳥とピアノ

少しだけお付き合いください

読書案内〜ミヒャエル・エンデ『モモ』〜 人生は無駄の連続

去年くらいにNHKの「100分de名著」で紹介された『モモ』に興味を持ち、つい最近やっと完読できた。 社会人になってから通勤がなくなり、本を手に取る時間もなくなり、なんだか人間として大事なものがどんどん欠けてく気がしていた。 テレワークして通勤時間…

ピアノの話

私は4歳の頃からピアノを習い、13歳でやめた。 小さい頃からピアノは全く上達せず、母は毎日私を叱った。思えば自分は何も器用にこなせる子供だったが、唯一音楽に関してだけは全くセンスがなく並の生徒より上達が遅かった。ピアノの先生は根気よく教えてく…

生き方はレールに沿ったもん勝ち?

生まれてからひたすら忙しくて自分のために生きられた気がしない。幼稚園のあとは小学校、 そのあとは中学校、高校、大学、一息ついて 就活、就職、転職、そのあとは 婚活、結婚、育児、付きまとうものは 仕事の心配、老後の心配、健康の心配、 人生の悩みっ…

現実逃避について

現実逃避があるのなら、理想からの逃避もきっとありますよね。 小さい頃の夢を諦めたり、結婚や仕事で色んな事を妥協したり、辛いことに耐えるのも現実を受け入れているように見えるけれどもそれは理想を諦めたことにもなりますよね。 現実を受け入れなけれ…

夢と現実の境目はどこか

明晰夢をよく見ていた。最近はあまりないが、そういえば学生時代に夢の中で夢だと気付くことは多かった。夢の中で飛ぶことは非常に面白かった。夢の中では、自分は何でもできるのだ。飛べると思えば飛ぶことだってできる。大事なのはイメージすること、想像…

観覧車で捕まえて

19歳、私は上京して、小さめのアパートに住むことになった。初めてその場所を訪れたとき、私は都会から少し離れた、あんまり辺鄙ではなく、かといって賑やか過ぎないその町のことが気に入った。通りかかる通行人の少し呑気な顔や、街角でうろつく大儀そうな…

迷いとか決断とか

自分は一人ベルトコンベアの上に居る。 いつからそうしているか覚えていない、誰かに言われているのかもしれないし好きで乗ったのかもしれない。とにかくベルトコンベアから下りることができない。できないと言うよりめんどくさいのだ。下りたら完全に行くべ…

読書案内〜『行人』夏目漱石〜

読んだのは新潮文庫のもの。後期三部作の二作目であるが『彼岸過迄』は読んでいない(高校時手に取ったが読めていない)。 行人 (新潮文庫) 作者: 夏目漱石 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1952/03/24 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 69回 この商品を…

読書案内〜夏目漱石『門』〜

角川文庫を読んだのだが、本の背面のあらすじがあまりにもネタバレだった。それからと同じくどうしてもあの表紙が好きだったから本屋を探し回った。もうほとんど残ってない様だ。 『それから』に続いて、人妻を奪った主人公のその後をほのめかす作であった。…

読書案内〜夏目漱石『それから』〜

夏目漱石の『それから』を読み終えた。高校で三四郎読んで"それから"二作は読めていないが大学に入って前期三部作再チャレンジです。どうしてもあのカバーのものが良かったから結構探し回ったものだ。アマゾンで買えばよかった。 簡潔に言うとあれは『NTRニ…

読書案内〜『君の膵臓を食べたい』〜

全体的に綺麗でまとまってたと思う。主人公はどストライクだし女の子は健気で病弱というギャップでやられた人も多いでしょう、ちょい悪役(隆弘)以外の登場人物全員が綺麗で眩しい。でも会話が現実にあったら少し寒いかも知れない。女の子の、全体的に明るく…

読書案内〜『また、同じ夢を見ていた』〜

住野よるさんの作品はこれを読むので初めてです。友人に勧められて読んでみました。帰省中に『それから』を読むのは少し重すぎると思ったので、前から気になっていた作家さんのを、と。 結果から言うと、もし他の作品も同じ文体、雰囲気で書かれていたら私に…

読書案内〜夏目漱石『三四郎』〜

3年ぶりくらいに『三四郎』を読み終えた。やはり高校より幾分か分かったことがあり、驚きや溜息は初回より少なくなったが新しく見つけたことは多い。 三四郎の恋を中心とする作品であるが彼の周りの人は皆個性があっていい、特に個人的には與次郎の廣田先生…