文鳥とピアノ

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白川郷旅行記〈日帰り〉

お盆休みに上越地方へ旅行に行ったのですが、白川郷に寄ってみました。砺波の合掌造り集落にも行きました。規模は断然に白川郷の方が大きく、当日はなんと土砂降りの雨でお陰で妙に異境感が出てました。

 

世界遺産だからこそ残念に思った箇所を幾つか挙げます。お盆だからなのか、白川郷は雨の日ても大変混雑してて、古代遺物の雰囲気はあまり感じられません。人が多いのもあるが、それと他に建物と人間が馴染み過ぎて(普通に家が店や展示館に使われてる)コレジャナイ感があります。合掌造りの家の前に普通に軽車両が止まってたり、ジュースなど売ってたりします。とは言って京都のような自然な馴染み方ではなく、観光地独特な馴染み方と言うべきか、つまり人間が村よりインパクトが勝ってしまって、そこにある村が白川郷である必要を見い出せなくなります。それとは逆に砺波の方は人は少ないが、綺麗に整備されすぎてて人の気配を感じないのが不気味です。庭の花も芝生も一寸の乱れなく続いてて、作り物のように感じました。

 

とても皮肉な話ですが、村を守るために世界遺産登録をする、しかしその途端に価値は建物や環境に置かれてしまい、本来の人間と環境の共存関係が崩れてしまう。村は元の村ではなくなるのだ。誰も住んでいない家、生活感のない家、「世界遺産」という名の家、果たしてそれは元の村と言えるべきか。従来の規律がなくなって、ただの見世物になった村の、何か大事なものが失われてはいないか。