生々流転

少しだけお付き合いください

敏感肌

私は今ベッドの上に仰向けになっている。頭の下にはザラザラした髪の感触とひんやりした枕カバーと頭の重みのせいで凹んだ枕。

布団が体の上に被さっている。空気を含んだ厚い羽根布団だ。さらに布団の上には、脱いだジャージとズボンの重みが微かに感じられる。

手は腹の上に重ねてある。呼吸に伴う脂肪の浮き沈みを手で少し抑えながら、腹巻の毛玉と繊維の感触を確かめている。私は腹巻をしていて、腹巻の下には肌着を着ている。下はトランクスと短パンだから、冬にしては寒過ぎる格好だ。でも1ミリでも動けば身体中から熱が空気中に逃げてしまう気がして、じっとしている。

背中で肌着の盛り上がった縫い目と柔らかい生地が皮膚に押し付けられる。髪が何本か首周りの皮膚に突き刺さるのを感じている。腕や脚の周りにはシーツの繊維か体毛がうごめきまるでダニが何匹も這い回っているようだ。足で動き回っては手の甲でも応えるようにコソコソと毛穴のいとつからもうひとつへと移動したり、太ももと短パンの間で跳ね上がったりしている。顔で静かに冷たい空気を受け止めながら、身体中は大忙しで全く落ち着きがない。ついに足の裏にチクリとチクリとしたこそばゆさが起こり、ひとつ寝返りをうった。今まで保ってきた等身大の温もりは、一瞬で抜け落ち、肩からふくらはぎまで神経が波を打ちながらビリビリと震えた。

明日シーツを洗ってみよう。布団カバーも。そう思いながら、また触覚との戦いが始まった。