生々流転

少しだけお付き合いください

青年アスペ

やあ、元気かい。お久しぶり。

そういえばさ、俺はアスペ診断がほしいって何度も思ったことがあるんだ。

アスペルガー症候群ってのは、簡単に言えば知的障害のない自閉症。症状はピンキリだし、診断結果は数値化できない定性評価だから曖昧な事もある、しかも普通にしていようと努力すれば一般人と変わらない。それでも病気になるとか、なんだかちょっと病気の定義が分からなくなりそうだよね。これから先も色んな病名が増えているんだろうな...日本人には「ヤマアラシ症候群」という風土病を持ってることになるかもな、あはは。

話を戻すと、俺は生きてるといろんな場面ですごいしんどいと思ったり自分を許せなかったりするわけ。人が話してるのにすぐ頭がぼけーとしちゃうとか、コンビニで20分くらい迷っちゃうとか、自分の言いたいことがわからないとか、電話が嫌いで嫌いで仕方がないとか。電話ってマジ嫌なんだよなあ、向こう側が見えないし、考えようとして黙るとすぐ急かされるし...まあ、色々不器用だから上手く行かないわけ。そんで、偉いお医者さんから「君はアスペ」というお墨付きを貰えば、もっと自分を許せて生きやすくなりそうな気がするんだ。だってただのコミュ障じゃ、もっと頑張れとか外向的になれとか、努力すれば変われるって人に言われるじゃん。それで希望を持っちゃって、自分が変われると思って頑張った結果がどうよ。場の空気読めるようになった、人と仲良くなれるようになったと自分は思っていたのに、相変わらずみんな自分のいないところで「あいつ変だよな」って笑ってるじゃないか。とんでもない、ふざけんな、なんでこうなるんだよ。何でいつも仲良くしてると思ってたやつらにこんなこと陰で言われなくちゃいけないんだ。何でやっと普通に振舞えられるようになった思った矢先にどん底に落ちるんだよ。「さっき言ったこともう一度言ってよ」って笑いながら聞いても(きっとこういうところが駄目なんだろうな)相手は黙り込んでしまう。「冗談だよwww」ってあしらったりしないで真顔で黙り込むのはきついなあ、これはガチだって確信するわけ。俺だってこれくらいはわかるさ。人が話してる事が本気かどうかくらい、わかるようになれたさ、多少はね。もしかしたら他の国に行ったら時間にルーズでも空気読めなくてもいいかもしれないけど、電話はやっぱ避けられないよね。

アスペだったら、親に無理言って美大に通わせて貰えたかもなあ。

「お前は頭は悪くないけど医者も大企業も目指す必要はない、そこそこちゃんとしていてくれれば十分だ。人に迷惑だけは掛けないでくれ、あとは好きにしろ」

この言葉が聞きたかった、親からも自分からも。「好きにしろ」って。無理しなくていいんだって。普通の人と比べなくていいんだって。

好きなだけ絵を描きたいなあ。それで本を読んだり、旅をしたり、好きなロック聴いたり、偶にシャレたジャズとクラシック聴いて、年に一度だけでいいから、特別な日にちゃんとしたフレンチのフルコースを頼んだり。彼女なんて高望みはしないさ、きっと俺なんかと長く付き合える人はいないからよ。こんな贅沢な暮らしをするのに金はいくら必要なんだろう?それは俺が頑張れば手に入るものなのだろうか...?それすらわからないけどよ。

...え、今どこにいるって?

線路の上だよ、もうずっと歩いているけど全然辿り着けそうにないんだ。大丈夫だよ、電車は暫く通らないはずだ。来たって怖くないさ、そこら辺から飛び乗ってやるからよ。それにしても全然先が見えないや、本当にどうしてくれるんだよ。