生々流転

少しだけお付き合いください

気が狂いそう

これから自己紹介をしたいんだけど、ほんとは自分のことよくわかんないんだよね。

 

クラスじゃ不思議ちゃんだといわれているけど、ふつーにしてるだけなんだよね。

ふつーに学校来て息してるだけで、不思議ちゃんだってよばれて、いじられてんの。ほんとうに笑っちゃうわ。

でも周りには頑張ってキャラとかつくってる人が沢山いるから、それに比べちゃ全然楽なもんね。

人と話したくないから休み時間はひとりで本を読んでて、授業がつまんないから窓の外を見ながら夕飯の献立を考えるの。とりあえずちゃんとした理由はあるのよ。なんで不思議なんだろ、笑っちゃうわ。

ちなみに料理を作るのはすごく好きよ。学校でロボットみたいに数学の公式を覚えて、理科の問題を解いて、言われた通りの歌を歌って絵を描いて何が楽しいのかしら。

あたしが一番楽しいのは、やっぱり自分でレシピを考えた料理を作ることね。学校の家庭科のおままごとみたいな料理じゃなくて。カレーなんかも、ルーを使わないで好きな味を考えて、一からスパイスを合わせる方が全然楽しい。教科書なんて全部捨てちゃえ。

あたしが考えてることをちゃんと聞いてくれれば、みんな納得して面白がることもなくなるのかしら。でもね、あたしはほかのクラスメイトが不思議でたまらないの。寒い冗談しか言えない担任のことをどうして面白いと思うのだろう。運動会の自主練習にどうして、運動が嫌いな子を巻き込むのだろう。廊下の長い流しの上に置いた花瓶に、毎日違う花を挿してる音楽の先生にどうして、ひどいあだ名をつけて悪口をいうのだろう。あたしの前の席の、優しくて絵がうまい男の子のことを、どうして女の子はからかって笑いものにするんだろう。こんなに学校は嫌なことでいっぱいで、その分すてきなことにも溢れているのに、どうしてみんな何食わぬ顔して、平気で息をしているのだろう。

不思議でたまらないわ。