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生々流転

日々の生活

そら模様

空と言えば何を思い浮かべますか。

 

これは『から』でも『くう』でもなくて、『そら』の方についての話です。

 

日本語では『空目』『空耳』、夏目漱石《琴のそら音》(とても面白い話だが今回は割愛くぁwせdrftgyふじこlp)などは幻聴や幻覚の意味を帯びています。『空音』は他に『空言(そらごと、くうげん)』と同じく嘘をつくという意味もあって、それは宇治拾遺物語《稚児のそら寝》(狸の寝入りをするショタを見てお坊さんたちがニヤニヤする危ない話)とおおよそ『そら』の意味は似てますでしょう。初めて気付いたが両者のタイトルは対句に似た趣があるが果たして夏目は意識してたのでしょうか。『うわの空』は平安時代から使われ、落ち着かないさまを表す形容動詞『心空なり』から来たそうだ。

 

お空を飛ぶ方のそらは、日本では実に多様な空を表す言葉があります。昔から風や雲など自然を分類する和語は実に多いのです。古くから時間の推移を空で表した言葉では夜半から夜の明けるころまでの順に夜明け(よあけ)明け六つ、暁(あかつき)夜の明ける頃、東雲(しののめ)東の空がわずかに明るくなる頃、曙(あけぼの)夜空がほのかに明るんでくる頃、春はあけぼの、黎明(れいめい)夜が明けて朝になろうとする頃、彼誰時(かわたれどき)夜明け前の薄明のとき、人影が見えても、それが誰であるか判明しないような時間、誰彼時(たそがれどき)夕方の薄明でその逆の時間帯を表す。『君の名は。』では(かたわれどき)などと言ってましたね。

 

季節や天気を表す言葉はさらに多い。小春日和なんかかわいいですね。娘が生まれたら小春とか日和って名前を付けてみたいものだ。東京事変の『群青日和』は豪雨から始まるのが大好きです。雲居の空は遠く離れた空(天国)や宮中を表します。ちなみに私が大好きな源氏物語のヒロインは雲居の雁です。蒼天、天穹は厨二心がそそられます。

 

きりがないのでそろそろ本題に入ると、私が一番好きな天気は曇天なのです。小さい頃の故郷思い出がずっと曇りだったせいもあるかもしれません。故郷は曇りが多い町だった印象です。それとは別に、私は季節の中では一番夏が好きなのです。真っ青な空と少し湿った空気、木々と草の匂いからラムネの涼しい音まで全部が好きで仕方がない(蝉だけは苦手だが)。しかしその「好き」と秋から冬にかけての鉛色の空の「好き」とは別です。例えで言うと曇天の好きは、一緒にいて落ち着く女の子、いつも寄り添って慰めてくれる女の子が好きなのと一緒で、夏の青空が好きなのはまさにbacknumberが歌っている高嶺の花子さんへの好きで、憧れに似たような切なさがあります。私の心は夏模様じゃなくてくもり模様なので、きっと真っ青な空を見上げると自分の心情との矛盾に耐えられないのです。人にもよるが、ウキウキしてるのに急に雨が降り出したり、恋人と別れた直後に雪が降り出す、あの心情と天気が合致しない感じです。だから普段の私は曇天が一番落ち着くのです。悲しい事があったら雨など降ってほしいですね。

 

長くなりました。こう言ってはいるが私は基本快晴も晴れも暴風雨も、何一つ嫌いな天気はないですし雷などの自然現象も大好きです。優しいだけではなく怖いときもあるのが自然の醍醐味だと思う。

夏目漱石『行人』に続く?)