文鳥とピアノ

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読書案内〜夏目漱石『それから』〜

夏目漱石の『それから』を読み終えた。高校で三四郎読んで"それから"二作は読めていないが大学に入って前期三部作再チャレンジです。どうしてもあのカバーのものが良かったから結構探し回ったものだ。アマゾンで買えばよかった。

 

簡潔に言うとあれは『NTRニートのすすめ』(あくまでも個人の感想)というタイトル。主人公坊ちゃんは大学卒業してから家で働かず好きなだけ本を読んで親から金を貰って暮らし、その上真面目に働いてる友人のことを仕事に縛られ過ぎだの堕落してるだの〈ニートなのに〉口出しして終いには自分が仲人した親友の奥さんを奪ってしまう。その時の親友への文句がなんと『体は君の所有物に出来るが心までを所有物にすることはできない』親友のプライドはこれはもうズタズタですよ。

 

ざっとこんな話ですが、人の奥さんを奪う話なんかも美しく自然な風に書けるのが夏目です。人妻だけど愛さえあればいいよね。表面上は人妻奪う話だけど、自然の気持ちに従うか理性で社会の道徳に反しないよう抑えるかかという究極な問題を論じている。そこで夏目が出した答えは『人間は自然に逆らえない』ということだったようだ。

 

 

それから (角川文庫)

それから (角川文庫)