文鳥とピアノ

少しだけお付き合いください

読書案内〜『君の膵臓を食べたい』〜

全体的に綺麗でまとまってたと思う。主人公はどストライクだし女の子は健気で病弱というギャップでやられた人も多いでしょう、ちょい悪役(隆弘)以外の登場人物全員が綺麗で眩しい。でも会話が現実にあったら少し寒いかも知れない。女の子の、全体的に明るく振舞ってる感じが白々しいというか単に自分が苦手な口調なだけかもしれないけど…なんかTwitterによくいそうな話し方、句点で短く切れてる可愛い感じの。

 

2作目よりは内容が何倍か濃く、テーマは2作目が幸せについてでこれが生きる理由みたいな。ものの見方、表情の描き方、心理描写でためになったことや新鮮味を感じた技術は凄く多いです。例えば咲良が僕に抱きついて誑かしてる所の僕の心情とか、咲良が最低と言って振り返った所の表情の描写は良い。地の文は何度も読み返してみる価値はあると思う。

 

 

こんな小説読まれたら誰も次回作に期待してしまうだろう、求めるのはキミスイの良さを生かしつつより深い人間の心理への考察、面白い話題、個人的にはもう少し現実味を帯びた登場人物…まあ私が何を言っても書いてる人とほかの読者には関係がないけれど。人間の作り方が丁寧じゃない、物語を進めようとはしょっている、物足りなさはある。

 

 

追記 Amazonレビューを読むと『中高生向け恋愛小説』という印象を受けた人も多いらしかった。偉そうに評価してるけど普通にそう思うから仕方ない

 

 

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい